Journal — inklinic

    タトゥー除去レーザー1回目、照射の感覚と当日の流れを時系列で追う

    2026年8月31日

    Medical ColumnTokyo Ueno
    タトゥー除去レーザー1回目、照射の感覚と当日の流れを時系列で追う

    受付から照射までに行われること

    初回の当日は、照射の前にカウンセリングと確認の時間を取ります。肌質やタトゥーの状態は一人ひとり違うため、必要に応じて小さな範囲にテスト照射を行い、肌の反応を確かめてから本番の照射に進みます。鉄を含む色素が使われていることのあるアートメイクでは、変色を予測するうえでテスト照射が特に大切になります[1]。いきなり本番の照射が始まるわけではなく、まずご自身の肌との相性を確かめる段取りが組まれているので、安心してお越しください。

    経過を比べるための写真撮影も、当日の流れに含まれます。同意をいただいたうえで施術部位を記録し、回を重ねるごとにタトゥーが薄くなっていく過程を客観的に確かめていきます[1]。次回以降の照射設定や効果を判断する大切な材料になります。

    クリニックの待合スペース。ベージュのソファ、大きな窓、木製の棚にロゴが飾られた清潔で落ち着いた空間

    照射前の準備、まずは目を守るところから

    照射の直前には、目を守る準備をします。レーザーの光はとても強いため、施術中は患者さんと医療者の双方が、レーザーの波長に対応した保護ゴーグルを装着します。これは医療機関に共通の前提です[1, 6]。ゴーグルをお渡ししたら、照射が終わるまで外さずに着けておいてください。

    準備が整うと、照射の設定に移ります。inklinicでは、肌質、インクの色や深さ、部位を見ながら、照射の設定を一人ひとりに合わせて調整して施術を行います。設定が決まったら、ハンドピースという手持ちの器具で、タトゥーの上を少しずつなぞるように照射していきます[1]。ベッドに横になり、ゴーグル越しに担当者の声を聞きながら進む、というのが照射中の基本の風景です。

    ステンレストレイに置かれた黒いレーザー保護ゴーグル、奥に処置室の器材

    照射そのものにかかる時間の目安

    照射そのものにかかる時間は、10〜30分ほどが目安です。大きなタトゥーでは、2回の予約に分けて照射する場合もあります[1]。同じレーザー除去でも、絵柄の大きさによってかかる時間はかなり変わります。

    小さなワンポイントなら数分で終わることもあり、大きな絵柄では30〜45分ほどかかったという記録もあります[7]。なお、これは照射そのものの時間です。受付から会計までを含めた滞在時間は照射時間より長くなるので、当日は余裕を持ってお越しください。

    照射時間の目安を示す横棒の図。小さなワンポイントは数分から、標準的な絵柄は10〜30分、大きな絵柄は30〜45分ほどで2回に分ける場合もある

    照射中の感覚は「細い輪ゴムを弾くよう」

    照射中の感覚として最もよく使われるのが、輪ゴムのたとえです。米国FDAは、照射中の感覚を、細い輪ゴムを皮膚に弾くような感覚と表現しています[3]。パチン、パチンという短い刺激が、照射のリズムに合わせて続くイメージです。ずっと熱いものを押し当てられるような感覚とは違います。感じ方には個人差があり、部位や体調によっても変わります。

    レーザーが何をしているのかを知っておくと、感覚の受け止め方も変わります。FDAの説明では、レーザーの光エネルギーがタトゥーのインクを小さな粒子に砕き、その粒子を免疫の仕組みが時間をかけて取り除いていくとされています[3]。つまり照射は、消すためのきっかけを作る作業で、その後の体の働きとセットで効果が出るものです。痛みがどうしても不安な場合は、麻酔の選択肢を予約時に相談しておくと、当日を落ち着いて迎えられます。

    レーザー照射の短い刺激が、間をあけて繰り返される様子を時間軸で示した模式図

    照射直後の肌に起こる、白い霜のような変化

    照射直後の肌には、特徴的な変化が現れることがあります。赤みやわずかな盛り上がりとともに、皮膚の中に生じた小さな蒸気の泡によって、白い霜が付いたような見た目になることがあります。これは速やかに消える一時的な反応です[1]。査読付きの臨床レビューでも、この即時の白色化は、レーザーがきちんと反応したことを示す目安の一つとされています[6]。初めて見ると驚くかもしれませんが、よく知られた自然な反応です。

    白色化は、特別な処置をしなくても平均20分ほど(範囲17〜22分)で自然に消えたと報告されています[4]。また、照射部位ににじむ程度の微細な出血がみられることがありますが、これも自然に治まる正常な反応で、心配はいりません[1]。ピコ秒レーザーの前向き試験でも、痛みは治療直後に消え、腫れや水疱は1週間以内に治まったと報告されています[5]。どの反応がどの程度出るかは、レーザーの種類やインクの色、部位によって変わります。

    照射後すぐの処置、ステロイドとフィルムで肌を守る

    照射が終わると、肌を保護する処置に移ります。inklinicでは、照射した部位に炎症を抑えるステロイド外用薬を塗り、フィルムドレッシングという透明な保護フィルムで覆ってからお帰りいただきます。照射した部位をむき出しのまま帰すのではなく、守られた状態で帰宅していただくためです。

    フィルムを外すタイミングや、その後の洗い方、保湿の方法は、肌の状態や部位によって変わります。施術のときに一人ひとりに合わせてご案内しますので、疑問があればその場で遠慮なく質問してください。

    帰宅後から数日間、肌と生活の過ごし方

    帰宅後の肌には、しばらく反応が残ることがあります。保護を外した後の24〜48時間は、赤みや炎症がみられる場合があります[1]。当日の夜に赤みが残っていても、それだけで慌てる必要はありません。お伝えしたケアを続けながら様子を見ましょう。

    生活面では、数日間は激しい運動を避け、かさぶたが取れるまで水泳とサウナを控えてください[1]。起こり得る反応としては、周囲より皮膚が明るくなること、瘢痕(傷あと)、感染、点状の出血、赤み、痛みが知られています[3]。強い痛みが引かない、腫れが広がるなど、気になる変化が続くときは、自己判断で済ませずご連絡ください。

    1回目はゴールではなく、除去のスタート地点

    レーザーによるタトゥー除去は、1回で終わる施術ではありません。砕かれたインクの粒子を体が少しずつ運び去るため、皮膚を休ませながら照射を重ねていきます[3]。臨床レビューでは、照射はおよそ8週間(約2ヶ月)の間隔で繰り返せるとされ、必要な回数は平均で7〜10回、色素が薄いタトゥーでは3〜4回の治療で大きく薄くなったという報告もあります[6]。inklinicでも、約2ヶ月おきの照射で合計3〜10回程度が一つの目安です。回数はタトゥーの大きさ、色、インクの深さによって変わるため、初回のカウンセリングで見通しをお伝えします。

    当日の流れを振り返ると、カウンセリングと確認、写真撮影、一人ひとりに合わせた設定、数分から数十分の照射、ステロイドとフィルムドレッシングでの保護、という順番でした。照射中は輪ゴムを弾くような短い刺激があり、直後には白い霜のような見た目や、にじむ程度の微細な出血が出ることがありますが、どちらも自然な反応です[1, 3]。所要時間や麻酔の希望など気になる点があれば、予約の際にご相談ください。当日に何が起こるかを知っておくだけで、1回目はずっと落ち着いて迎えられます。

    初回照射の当日の流れを左から右へ示す横一列のタイムライン図。受付・相談、テスト照射・写真撮影、ゴーグル装着、照射(数分〜数十分)、ステロイド・フィルムで保護、帰宅・自宅ケアの6ステップ

    よくある質問

    照射そのものにかかる時間はどれくらいですか?

    照射そのものは10〜30分ほどが目安です。小さなワンポイントなら数分で終わることもあり、大きな絵柄では30〜45分かかったという記録もあります。大きなタトゥーは2回の予約に分けて照射する場合もあります。受付から会計までの滞在時間は、予約の際にご確認ください。

    照射中はどんな感覚ですか?

    米国FDAは、細い輪ゴムを皮膚に弾くような感覚と表現しています。感じ方には個人差があり、部位や体調でも変わります。痛みが不安な場合は、麻酔の選択肢を予約時にご相談いただけます。

    照射直後の肌はどうなりますか?

    赤みや、皮膚の中の小さな蒸気の泡による白い霜のような見た目が現れることがあります。この白色化は研究では平均20分ほどで自然に消えたと報告されています。にじむ程度の微細な出血がみられることもありますが、これも自然に治まる正常な反応です。

    当日の帰宅後のケアはどうすればよいですか?

    inklinicでは、照射後にステロイド外用薬を塗り、フィルムドレッシングで保護してからお帰りいただきます。フィルムを外すタイミングや洗い方、保湿の方法は、肌の状態や部位に合わせて当日ご案内しますので、その指示を最優先にしてください。疑問があればその場でご質問ください。


    参考文献

    1. [1]. Sandwell and West Birmingham NHS Trust, Birmingham Regional Skin Laser Centre. Laser Tattoo Removal. (Sandwell and West Birmingham NHS Trust, 2024). リンク
    2. [2]. Sandwell and West Birmingham NHS Trust, Birmingham Regional Skin Laser Centre. Laser Tattoo Removal. (Sandwell and West Birmingham NHS Trust, 2024). リンク
    3. [3]. U.S. Food and Drug Administration. Tattoo Removal: Options and Results. (U.S. Food and Drug Administration, 不明). リンク
    4. [4]. Kavitha K. Reddy, Jeremy A. Brauer, Robert Anolik, Leonard Bernstein, Lori Brightman, Elizabeth Hale, Julie Karen, Elliot Weiss, Roy G. Geronemus. Topical perfluorodecalin resolves immediate whitening reactions and allows rapid effective multiple pass treatment of tattoos. (Lasers in Surgery and Medicine, 2013). doi:10.1002/lsm.22106. リンク
    5. [5]. Nazanin Saedi, Andrei I. Metelitsa, Kathleen Petrell, Kenneth A. Arndt, Jeffrey S. Dover. Treatment of Tattoos With a Picosecond Alexandrite Laser: A Prospective Trial. (Archives of Dermatology, 2012). doi:10.1001/archdermatol.2012.2894. リンク
    6. [6]. Stephanie G. Y. Ho, Chee Leok Goh. Laser Tattoo Removal: A Clinical Update. (Journal of Cutaneous and Aesthetic Surgery, 2015). doi:10.4103/0974-2077.155066. リンク
    7. [7]. National Institute for Occupational Safety and Health. Health Hazard Evaluation Report 2017-0006-3319: Evaluation of Occupational Exposures to Laser Tattoo Removal. (National Institute for Occupational Safety and Health, Centers for Disease Control and Prevention, 2019). リンク

    Related

    あわせて読みたい記事

    Consultation & Reservation

    まずはお気軽に
    ご相談ください

    カウンセリングでは、ご希望のデザインや不安な点を丁寧にお伺いします。 無理な勧誘は一切ございません。