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    アートメイクの種類がわかる、眉・リップ・アイラインの技法図鑑

    2026年8月24日

    Medical ColumnTokyo Ueno
    アートメイクの種類がわかる、眉・リップ・アイラインの技法図鑑

    アートメイクは「落ちない化粧」を作る技術

    アートメイクは、皮膚の浅い層に色素を入れて、眉やアイライン、リップの色を長持ちさせる技術です。米国皮膚科学会誌のレビューでは、永久メイクは日常の化粧を補う、または置き換えるために行うタトゥーの一種と説明されています[7]。顔で多く行われる部位としては、アイライン、リップライン、眉の着色が挙げられています[7]。毎朝のメイク時間を短くしたい人や、汗や水で崩れにくい仕上がりを求める人に向いている技術です。

    色素を入れる深さは技法によって差があります。文献レビューでは、マイクロブレーディングは手用器具を使い、真皮乳頭層という皮膚の浅い層まで色素を入れる表在性の施術と説明されています[5]。浅く入れるぶん、色は時間とともに薄くなっていく技法もあります。この「いずれ薄くなっていく」という前提を知っておくと、技法選びがぐっと楽になります。

    技法は「手彫り」と「マシン」の二つに分かれる

    技法の名前はたくさんありますが、色素の入れ方で見ると大きく二つに分かれます。一つ目は手彫りです。代表がマイクロブレーディングで、細い針を積み重ねた刃のような手用器具を使います[5]。皮膚の浅い層に毛のような細い線を一本ずつ描き、色素を入れていきます[5]。本物の眉毛が生えているような、自然な毛並みを再現しやすいのが特徴です。

    二つ目はマシン彫りです。文献レビューでは、電動針で色素の粒を真皮に均一に入れる方法と説明されています[6]。細かな点を重ねて、パウダーをのせたようなふんわりした質感を作ります。どちらかが必ず優れているという話ではなく、なりたい質感によって使い分けるのが基本です。両方を組み合わせて、毛並みの立体感とメイク感を一度に出す方法もあります[5]。

    眉の技法。毛並み、パウダー、その組み合わせ

    眉の技法でよく聞く「3D」は、手で毛流れを一本ずつ描く方法です。文献では、毛流れを描く3Dや6D、細かな点でぼかすオムブレやマイクロシェーディング、その組み合わせであるコンビネーションやハイブリッドという分け方が説明されています[5]。マイクロブレーディングによる毛並み眉はナチュラル志向の人に選ばれやすく、すっぴんでも眉が浮きにくい仕上がりを目指せます。

    「パウダー眉」「オムブレ眉」と呼ばれる技法は、毛流れではなく細かな点でパウダー状の眉を作ります[5]。眉頭を淡く、眉尻を濃くといったグラデーションが得意で、アイブロウパウダーで仕上げたようなメイク感が出ます。しっかりメイクした眉に近い、はっきりした印象に仕上げたい人に向いている技法です。

    毛並みとパウダーを組み合わせる方法もあります。中心部で両者を重ねる手法が文献でも説明されており[5]、「4D」「コンビネーション眉」などの名前で案内されることが多い系統です。なお、こうした呼び名は店や医療機関によって指す内容に幅があり、同じ名前でも器具や描き方が違うことがあります。予約の前に、どの器具でどう描くのかを確認しておくと安心です。

    リップの技法。血色感をデジタルペンで作る

    リップのアートメイクは、唇に色素を入れて血色感のある口元を作ることを目指す施術です。文献レビューでは、リップカラーには色素を入れる速度と深さを調整できるデジタルペンを用いると説明されています[6]。くすみをカバーしたり輪郭を明るく見せたりする効果は施術の目的として語られるものであり、この文献で直接検証されているわけではありません。

    口紅を塗り直す手間を減らしたい人に選ばれる部位です。色の残り方には個人差があり、使う色素や肌の状態によっても変わります。なりたい色味は写真などで具体的に伝え、医師の診察で相談しながら決めていくのがおすすめです。仕上がりのイメージをすり合わせておくことで、施術後の満足度も高まりやすくなります。

    アイラインとラッシュライン。目元の二つの選択肢

    アイラインのアートメイクは、まつ毛の生え際に沿って色素を入れ、目元をはっきり見せる施術です。先ほどの東京都内の調査では、アイラインはマシンで施術されていました[4]。気になる場合は、医師に相談しながら仕上がりを確認していくと安心です。

    しっかりラインを引くほどではなく、まつ毛の間を埋めたい人には「ラッシュライン強調」という選択肢があります。まつ毛の生え際の隙間を埋める施術で、デジタルペンで行う方法が文献で説明されています[6]。ラインを引いた感を出さずに、まつ毛が濃くなったように見せたい人に向く選び方です。

    持ちの目安と、施術後の流れ

    持ちの目安として文献に数字があるのはマイクロブレーディングです。結果は半永久的で、12〜18か月持続するとのレビュー記載があります[5]。同じレビューでは、色素の種類や入れる深さ、紫外線、肌の状態などがマイクロブレーディングの色の残り方に影響しうるとされています[5]。リップやアイラインなど他の技法の持続期間については、ここに示す数字はありません。

    施術後の過ごし方は、文献に載っている手順の一例が参考になります。水との接触を3〜7日避け、かさぶたは7日ほどで自然にはがれ、4週間後に追加施術が必要かどうかを確認する、という流れです[6]。これは文献中の一例で、実際のスケジュールは施術内容や肌の状態によって変わります。あなたの場合の回数や間隔は、診察の際にご案内します。

    数字で見る安全性。1,352人の調査から

    安全性を考えるうえで参考になるのが、東京都内の1施設で行われた調査です。2016年11月から2020年3月までに眉またはアイラインのアートメイクを受けた人からの質問票1,352件が集計されました[4]。施術メニューごとに配布された無記名の質問票のため、同じ人が複数回答している可能性があります[4]。施術から回答までの期間の中央値は15日です。合併症の症状を報告した回答は164件(12.1%)でした[4]。感染は3件で、いずれも眉施術群において確認され、眉施術の回答1,188件中3件、約0.3%でした[4]。

    内訳を見ると、眉ではかゆみが8.2%、赤みが1.7%、腫れが1.1%でした。アイラインでは腫れが13.2%、かゆみが2.9%と報告されています[4]。調査時点まで症状が続いた例はなかったとされています[4]。一方で文献レビューは、感染やアレルギー、炎症性の合併症は、衛生管理や施術後のケアが不十分な場合に起こりやすいと指摘しています[7]。器具の衛生と術後の説明がしっかりした場所を選ぶことは、安全性を高める一つの目安になります[7]。

    日本では医療機関で受ける施術です

    日本では、アートメイクは医療機関で受ける医療行為として扱われています[2, 3]。

    アートメイクは、医師の診察のもとで受ける医療行為です[2]。技法選びで迷ったときも、肌の状態を診てもらいながら一緒に考えられるのが医療機関で受ける強みです。inklinicでも、医師の診察を受けたうえで、なりたい仕上がりに合う技法をご相談いただけます。まずはカウンセリングでお気軽にお尋ねください。

    よくある質問

    アートメイクはどれくらい持ちますか?

    文献レビューでは、マイクロブレーディングは半永久的で12〜18か月持続すると記載されています。実際の持ちは色素の種類、入れる深さ、追加施術の有無、紫外線、肌の状態などで変わるため、診察の際にあなたの場合の目安をご確認ください。

    アートメイクはサロンでも受けられますか?

    日本では、眉やアイライン、リップなどに針で色素を入れる行為は医行為とされており、医療機関で受ける施術です。看護師が施術する場合も、医師の指示の下で診療の補助として行う必要があると厚生労働省の通知に示されています。

    手彫りとマシンはどちらがいいですか?

    なりたい質感で選びます。本物の眉毛のような毛並みを描きたいなら手彫りのマイクロブレーディング、パウダーメイクのようなふんわりした質感ならマシンが向きます。両方を組み合わせる方法もあるので、カウンセリングでご相談ください。

    アートメイクに副作用はありますか?

    東京都内の1施設で1,352人に行われた調査では、何らかの合併症があった人は全体の12.1%、感染は3人(0.2%)でした。眉ではかゆみ8.2%、アイラインでは腫れ13.2%などが中心で、調査時点まで症状が続いた例はなかったと報告されています。


    参考文献

    1. [1]. 厚生労働省医政局医事課長. 医師免許を有しない者によるいわゆるアートメイクの取扱いについて. (厚生労働省, 2023). リンク
    2. [2]. 厚生労働省医政局長. 美容医療に関する取扱いについて. (厚生労働省, 2025). リンク
    3. [3]. 厚生労働省医政局医事課長、厚生労働省健康・生活衛生局生活衛生課長、経済産業省商務・サービスグループヘルスケア産業課長. 美容所等におけるアートメイク施術について. (厚生労働省, 2025). リンク
    4. [4]. Shoichi Tomita, Katsuya Mori, Hitomi Yamazaki, Kaori Mori. Complications of permanent makeup procedures for the eyebrow and eyeline. (Medicine (Baltimore), 2021). doi:10.1097/MD.0000000000025755. リンク
    5. [5]. Manjot Kaur Marwah, Amit S Kerure, Gurjot S Marwah. Microblading and the Science Behind it. (Indian Dermatology Online Journal, 2021). doi:10.4103/idoj.IDOJ_230_20. リンク
    6. [6]. Amit S Kerure, Manjot Marwah, Nitika Deshmukh Wagh, Satish Udare. Micropigmentation. (Indian Dermatology Online Journal, 2023). doi:10.4103/idoj.idoj_767_21. リンク
    7. [7]. Ghazal Ghafari, Jack Newcomer, Sarah Rigali, Walter Liszewski. Permanent makeup: A review of its technique, regulation, and complications. (Journal of the American Academy of Dermatology, 2024). doi:10.1016/j.jaad.2024.01.098. リンク

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