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アートメイク用語辞典 リタッチから定着、除去までわかる
2026年8月31日

この記事の使い方
アートメイクを調べ始めると、PMU、定着、痂皮化、リタッチといった聞き慣れない言葉が次々に出てきます。この記事は、検索やカウンセリングで出会いやすい用語を、テーマごとに調べられる用語集としてまとめたものです。呼び方の基本、デザイン、施術後の経過、リタッチ、除去、医療と安全という順番で並べているので、気になるところから読めます。それぞれの用語には短い定義を添え、数値がある場合は出典と一緒に示しました。
用語の中には、施設によって意味や使い方が少しずつ違うものもあります。たとえばリタッチとメンテナンスの呼び分けは、クリニックごとに料金や回数、対象期間が異なります[4]。発色と定着のような似た言葉も、業界で統一された定義があるわけではありません。この記事では、まず一般的な意味を押さえたうえで、自分の場合の細かい条件はカウンセリングや予約時に確認する、という読み方をおすすめします。言葉の意味がわかっていれば、その確認もぐっとしやすくなります。
呼び方の基本 アートメイク・PMU・SMP
アートメイクは、針で皮膚に着色インクを入れ、眉やアイライン、リップラインをメイクしたように見せる施術です[6]。英語圏ではPMU(Permanent Makeup、パーマネントメイク)と呼ばれています[3]。毎日のメイクを補ったり強調したりするためのタトゥーの一形態として扱われています[3]。検索結果や海外のサイトで「PMU」という表記を見かけたら、日本でいうアートメイクのことだと考えて読み進めて大きなずれはありません。ただし日本語の呼び方には揺れがあり、唯一の正式名称が決まっているわけではありません。
SMPはScalp Micropigmentationの略です。脱毛した頭皮に、剃った毛や無精ひげ、毛量が多いような印象をつくる施術を指します[9]。PMUとは異なる施術ですが、そこから発展したものと説明されています[9]。日本では「頭皮アートメイク」と紹介する教育事業者もあります[10]。もっとも、SMPをめぐる用語はまだ発展途上で、専門家の間でも意味や呼び方に混乱があると指摘されています[9]。頭皮、ヘアラインなど名前が違っても中身が近いことがあるので、名称よりも施術内容そのものを確認するのが確実です。
デザインとカウンセリングの言葉
カウンセリングは、施術前に希望のデザインや体質、過去の施術歴を確認する時間です。アートメイクのデザインでは、眉だけを単独で描くのではなく、顔立ちや骨格、左右差を見ながら全体のバランスで決めるという考え方を取り入れている施設もあります。ただし、顔貌や骨格の評価方法、黄金比といった基準は、教育機関や施術者によって内容が異なり、統一された医学的基準ではありません。難しい用語が出てきたら、その場で意味を聞いて構いません。
施術回数も最初に知っておきたい言葉です。アートメイクは1回で完成ではありません。色素の定着を安定させるため、初回は4週間前後の間隔を空けて2〜3回に分けて行うと案内する医療機関があります[5]。つまり1回目の仕上がりがすべてではない、という前提です。これを知っておくと、施術直後の見た目に一喜一憂せずに済みます。回数や間隔は施設や部位、肌の状態によって変わるので、カウンセリングで自分の場合の施術計画を確認しておきましょう。
経過の言葉 痂皮化・発色・定着
痂皮化(かひか)は、施術した部分がかさぶたになることです。医療機関の説明書では、施術後3〜5日程度でかさぶたになり、約1週間かけて少しずつ剥がれると案内されています[5]。また、施術直後の3〜5日間は色が濃く見え、その後徐々に薄くなり、約1か月で完成に向かうという経過が示されています[5]。直後の濃さに驚く人は多いのですが、これは想定された変化です。ある医療機関の説明書では、かさぶたを無理に剥がすと色が欠けることがあるとされています[5]。経過を見守ることが仕上がりにつながります。
発色と定着は混同しやすい言葉です。この記事では、発色を「その時点で見えている色の出方」、定着を「皮膚が治ったあとに色素が残って見える状態」として使い分けます。ただし、この使い分けは業界で統一された定義ではなく、施設によって説明の仕方が異なることがあります。定着の程度には肌質や生活習慣による個人差があります。数字だけで比べるより、カウンセリングで自分の条件を伝えて、見通しを直接聞くほうが実用的です。
リタッチとメンテナンスの違い
リタッチは、色や形を補うための再施術を指す言葉です。民間のアートメイク情報サイトには、リタッチを「仕上げ」と「メンテナンス」に分けて説明する例があります[4]。この説明では、仕上げは2回以上を前提とした施術回数に含まれる追加施術で、初回から1〜3か月以内が目安とされています[4]。メンテナンスは、完成後の経年変化に合わせた補正・修正で、半年〜1年程度が目安とされています[4]。ただし、この呼び分けは医療機関や学会が定めた統一用語ではなく、あくまで一例です。呼び方も料金も対象期間もクリニックごとに異なるので、契約前に必ず確認してください[4]。
持続期間については、通常2〜3年持続し、1〜2年を目安にリタッチを案内する医療機関の説明があります[5]。ただし、退色の速さや再施術の時期には個人差があります。全員が同じ時期に必要になるわけではなく、「何年で必ず消える」「何年で必ずリタッチが要る」と断定できるものでもありません。色が薄くなった、形が合わなくなったと感じたタイミングで相談するのが現実的な付き合い方です。予約時に、リタッチの料金がどこまで含まれるかも聞いておくと安心です。
除去の言葉 レーザー除去と色調変化
レーザー除去は、レーザーで皮膚の中の色素を分解し、少しずつ薄くしていく方法です。米国FDAは、タトゥーが完全に除去できない場合や瘢痕(傷あと)が残る場合があるとし、一般的なタトゥーのレーザー除去には6〜10回かかることがあると説明しています[6]。この回数はアートメイクに限った数値ではありませんが、除去が一度で終わるものではないことを知る目安になります。
顔のコスメティックタトゥーに絞った研究もあります。2015年から2022年にレーザー除去を受けた33人の診療録を調べた研究では、満足できる結果までの平均治療回数は3回でした[7]。33人中22人(66%)が76〜100%の除去、11人(34%)が51〜75%の除去と評価されています[7]。一方で、33人中10人(30%)は初回照射後に予想外の色調変化が起きました[7]。色調変化とは、レーザーを当てた色素がかえって濃く見えるなど、狙いと違う色になる現象を指します。
色調変化が起きると、治療が長引くことがあります。上唇のアートメイクがレーザー照射後に濃くなった女性1人の症例報告では、複数の種類のレーザーを計26回、さらにCO2レーザー1回を経て、最終的に瘢痕を残さずに色素が消えたと報告されています[8]。これは1例の報告であり、除去回数の標準ではありません。それでも、アートメイクの除去は色素や部位の特性を踏まえた判断が必要だとわかる事例です。除去を考えるなら、顔のアートメイク除去の経験がある医療機関に相談してください。
医療と安全の言葉 医行為・副作用・MRI
医師法は、医師でなければ医業を行ってはならないと定めています[11]。看護師などの医療従事者は、医師の指示のもとで診療の補助として医行為を行うことができます[11]。厚生労働省の通知は、針先に色素を入れて眉やアイラインを描く行為も医行為にあたるとしています[11]。この通知は、看護師等が医師の指示なく行うことを問題としています[11]。アートメイクは医療機関で受ける施術だと覚えておきましょう。なお、色素やインクが「FDA承認済み」とうたわれることがありますが、米国FDAは皮膚に注入するために承認したインクはないと明記しています[6]。
副作用の言葉としては、かゆみ、発赤、腫れ、感染などがあります。日本の単一施設で1,352人に行った質問票調査があります[2]。この調査では、眉の施術を受けた1,188人のうち126人(10.6%)が何らかの症状を申告しました[2]。内訳は、かゆみ98人(8.2%)、発赤20人(1.7%)、腫れ12人(1.1%)、感染3人(0.3%)です[2]。アイラインでは243人中38人(15.6%)が症状を申告し、うち腫れが32人(13.2%)でした[2]。自己申告に基づく調査という限界はありますが、起こりうる症状の傾向をつかむ手がかりになります。文献レビューでも、感染、アレルギー、炎症性の合併症が挙げられています[3]。
MRIは磁気を使う画像検査です。FDAは、MRI検査のときにタトゥー部位が腫れたり、熱感や灼熱感を生じたりすることがあるとしています[6]。医療処置の前には、タトゥーがあることを医師へ伝えるよう案内しています[6]。アートメイクも同じで、検査前の問診で申告することが大切です。ただし、対応の仕方は使用した色素や部位、検査施設の判断によって変わるため、申告すれば必ず同じ対応を受けられるとは限りません。また、フィラー注入や局所麻酔といった皮膚への処置で、アートメイクの見え方が変わることがあると文献に記載されています[3]。美容医療を併用する予定がある人は、施術の順番もあわせて相談しておくと安心です。
用語がわかれば、質問が変わる
用語の意味がわかると、カウンセリングでの質問が具体的になります。「定着には個人差があると聞きましたが、私の肌質だとどうですか」「リタッチはどこまで施術料金に含まれますか」「除去になった場合はどこで対応できますか」。こうした聞き方ができれば、施術後の「思っていたのと違う」を減らせます。この記事をブックマークしておいて、気になる言葉に出会ったときに読み返す使い方もおすすめです。
最後に、この用語辞典の要点をまとめます。アートメイクは医療機関で受ける施術であること[1]。直後は濃く見え、約1か月かけて完成に向かう段階があること[5]。リタッチの呼び方や条件は施設ごとに違うこと[4]。除去は一度では終わらないことが多く、色調変化のリスクもあること[6, 7]。ここまで押さえられれば、最初の準備としては十分です。細かい条件は施設ごとに異なるので、残った疑問は予約時やカウンセリングで遠慮なく確認してください。
よくある質問
PMUとはどういう意味ですか?
PMUはPermanent Makeup(パーマネントメイク)の略です。針で皮膚に色素を入れ、眉やアイラインをメイクしたように見せる施術で、日本でいうアートメイクとほぼ同じものを指します。
リタッチとメンテナンスはどう違いますか?
仕上げのための追加施術をリタッチ、完成後の経年変化に合わせた補正をメンテナンスと呼び分ける説明があります。ただし呼び方や料金、対象期間はクリニックごとに異なるため、予約時に確認するのが確実です。
アートメイクは誰が施術できますか?
厚生労働省は2023年の通知で、針先に色素を付けて眉やアイラインを描く行為は医行為に当たるとの見解を示しています。医師免許を持たない人が業として行えば医師法違反になるため、医療機関で受ける施術です。
アートメイクがあってもMRI検査は受けられますか?
米国FDAは、MRI検査時にタトゥー部位が腫れたり熱感を生じたりすることがあるため、事前に医師へ伝えるよう案内しています。検査前の問診でアートメイクがあることを申告してください。
参考文献
- [1]. 厚生労働省医政局医事課長. 医師免許を有しない者によるいわゆるアートメイクの取扱いについて. (厚生労働省, 2023). リンク
- [2]. Shoichi Tomita, Katsuya Mori, Hitomi Yamazaki, Kaori Mori. Complications of permanent makeup procedures for the eyebrow and eyeline. (Medicine (Baltimore), 2021). doi:10.1097/MD.0000000000025755. リンク
- [3]. Ghazal Ghafari, Jack Newcomer, Sarah Rigali, Walter Liszewski. Permanent makeup: A review of its technique, regulation, and complications. (Journal of the American Academy of Dermatology, 2024). doi:10.1016/j.jaad.2024.01.098. リンク
- [4]. 石橋夏希(監修). アートメイクのリタッチ|デザイン長持ちさせるためのポイント. (Besecure/PSクリニック, 2026). リンク
- [5]. 記載なし. 医療アートメイク説明書. (しらね美容クリニック, 記載なし). リンク
- [6]. FDA Office of Women's Health. Tattoos and Permanent Make-up. (U.S. Food and Drug Administration, 2023). リンク
- [7]. Nina Hartman, Jameson Loyal, Summer Borsack, Mitchel P. Goldman, Monica Boen. Retrospective Review of the Laser Removal of Facial Cosmetic Tattoos. (Dermatologic Surgery, 2023). doi:10.1097/DSS.0000000000003766. リンク
- [8]. R. E. Fitzpatrick, J. R. Lupton. Successful treatment of treatment-resistant laser-induced pigment darkening of a cosmetic tattoo. (Lasers in Surgery and Medicine, 2000). doi:10.1002/1096-9101(2000)27:4<358::AID-LSM9>3.0.CO;2-0. リンク
- [9]. Greg Williams, Dawn Forshaw. Scalp Micropigmentation (SMP): Semantics, Terminology, and Standards. (International Society of Hair Restoration Surgery, 2019(2024年更新)). リンク
- [10]. 記載なし. スカルプ. (日本アートメイクアカデミー, 記載なし). リンク
- [11]. 厚生労働省医政局. ・美容医療に関する取扱いについて(◆令和07年08月15日医政発第815021号). (厚生労働省, 2025). リンク
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