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タトゥー除去のレーザーは承認済みか、PMDAで自分で確かめる手順
2026年9月14日

タトゥーを消すレーザーも、法律上は医療機器です
タトゥーを除去するレーザーは、医薬品医療機器等法(薬機法)で扱われる医療機器です。医療機器は、人の体に与えるリスクの大きさに応じて、クラスIからクラスIVまでの四段階に分けられています[1]。番号が大きいほどリスクが高いとみなされ、市場に出すまでの手続きも重くなります。身近な道具から体内に入れる器具まで、医療機器はこの分類に基づいて扱われます。
では、タトゥー除去に使われるレーザーはどこに入るのでしょうか。PMDA(医薬品医療機器総合機構)が公開する一般的名称のデータベースでは、「ネオジミウム・ヤグレーザ」はクラスIIIです[3]。「ルビーレーザ」も同じクラスIIIで、基質としてルビーを使い、皮膚科などで用いられるレーザーと定義されています[4]。どちらも「器31 医療用焼灼器」の類別に入り、中分類は「レーザ治療器及び手術用機器」です[3, 4]。皮膚に強い光を当てる装置は、リスクの高い側に置かれているということです。
ここで押さえておきたいのは、タトゥー除去用のレーザーが一つの名前でまとめられていない点です。ネオジミウム・ヤグレーザはJMDNコード35940000、ルビーレーザは36189000と、別々に収載されています[3, 4]。クリニックのサイトで「ピコレーザー」「Qスイッチ」といった呼び方を見ても、法律上の名前はそれとは別にあります。調べる際には、通称と一般的名称の違いに注意してください。
「承認」「認証」「届出」は同じではありません
医療機器が市場に出るまでの手続きには、承認、認証、届出の三通りがあります[1]。届出は、リスクの低いクラスIの機器について厚生労働大臣に届け出る手続きです[1]。認証は、クラスIIとクラスIIIのうち「認証基準」が定められた機器について、国が登録した第三者の認証機関が確認する仕組みです[1]。承認は、認証基準がないクラスII・IIIの機器と、クラスIVの機器が対象です。PMDAが品質、有効性、安全性を審査したうえで、厚生労働大臣が承認します[1]。
クラスIIIには承認を受ける機器と、認証を受ける機器があります。認証の対象になるのは、厚生労働大臣が基準を定めて指定した「指定高度管理医療機器等」に限られます[11]。薬機法の条文でも、承認が求められるのは、一般医療機器と、認証の対象として指定された高度管理医療機器・管理医療機器を除いた機器です[2]。指定を受けたクラスIIIのレーザーであれば、承認を受けたものと認証を受けたものが並ぶこともあります。確認の際は、承認と認証の両方を調べてください。
承認と認証は手続きこそ違いますが、どちらも国の仕組みの中で審査を経ています。患者として確かめたいのは二点です。その機器が承認または認証のどちらかを通っているか。そして、その用途がタトゥー除去を含んでいるか。番号の見方と用途の読み方は、次のセクションから順に見ていきます。
添付文書に何が書いてあるか。公開されている実例で見る
承認や認証を受けた機器には、製造販売業者が作る「添付文書」があります。PMDAは、国内で製造販売される医療機器について、原則として製造販売業者が添付文書をPMDAの情報検索ページに掲載すると説明しています[6]。添付文書は、薬に付いてくる説明書にあたるものです。機器の分類、番号、使用目的が書かれていて、どのような用途で承認または認証を受けた機器かがここで分かります。
実例を一つ見てみます。販売名「ピコセカンドKTP/Nd:YAGレーザー PicoWay」の添付文書には、高度管理医療機器のネオジミウム・ヤグレーザで、JMDNコードは35940000、医療機器承認番号は23000BZX00270000と記載されています[8]。使用目的又は効果の欄には、「体表面の深在性及び浅在性色素性病変の治療並びに刺青の除去を目的とした装置」とあります[8]。この機器は、刺青の除去という用途そのものを含めて承認を受けている、ということです。
見るべき場所は、販売名、承認番号または認証番号、そして「使用目的又は効果」の欄です。承認番号は「23000BZX00270000」のように、長い英数字の並びで書かれています[8]。クリニックのサイトに載っている機種の呼び名と、添付文書の販売名が同じものを指しているか。この番号を手がかりにして、一つずつ突き合わせていきます。
PMDAの検索ページで販売名をたどる手順
確認の入口は、PMDAの「医療機器 添付文書等情報検索」です[5]。このページでは、一般的名称や販売名、使用目的又は効果、承認・認証番号、企業名などを条件にして検索できます[5]。クリニックのウェブサイトに販売名が明記されているとは限りません。厚生労働省の医療広告ガイドラインQ&Aは、一般人向けの広告では医療機器の販売名を挙げられないとし、患者が自ら求めて閲覧するページで限定解除の要件を満たす場合に限り例外となり得るとしています[9]。機種名がわかる場合は、そのまま販売名の欄に入れてみます。英語名やシリーズ名で載っている場合は、カタカナ表記や名前の一部だけでも試すと見つかりやすくなります。
販売名で当たりが出たら、添付文書を開いて三つの欄を見ます。一般的名称と分類、承認または認証の番号、使用目的又は効果です[8]。使用目的に「刺青の除去」と書かれているかどうかは、必ず目を通してください。認証を受けた機器の場合は、PMDAが登録認証機関からの報告をもとに公表する「認証品目リスト」でも確認できます[7]。このリストには認証番号、認証年月日、販売名、一般的名称、認証取得者などが載っており、PDF版とExcel版があります[7]。掲載範囲は随時更新されるため、確認時点で最新の認証分まで反映されているかはリストの発行日で確かめてください[7]。
検索は無料で、誰でも使えます。ただ、機種の呼び名と販売名が本当に一致しているかは、外から見ただけでは分からないことがあります。その場合は、クリニックに「販売名と、承認番号または認証番号を教えてください」と尋ねるのが早道です。番号が分かれば、PMDAの検索欄にそのまま入れて照合できます。
見つからなくても、すぐに「未承認」とは言えません
検索で見つからないだけでは、未承認とは判断できません。PMDAの情報検索は、添付文書が公開されている品目について、その記載内容から結果を表示する仕組みです[5]。届出で市場に出るクラスIの一般医療機器には公開リストがなく、PMDAも個別製品の届出状況には回答できないとしています[6]。また、承認品目一覧より前の時期の情報は、PMDAが持ち合わせていないと案内されています[6]。
名前の問題もあります。サイトに書かれた通称や英語名が、添付文書上の販売名と一字一句同じとは限りません。販売名の一部だけで検索し直す、一般的名称「ネオジミウム・ヤグレーザ」「ルビーレーザ」で絞り込んだうえで企業名を組み合わせる、といった探し方でたどり着けることがあります[3, 4, 5]。認証を受けた機器なら、認証品目リストのExcel版を販売名や認証取得者で検索する方法もあります[7]。
それでも見つからないときは、自分で結論を出すより、クリニックに直接尋ねるほうが確実です。届出の機器については、PMDAは製造販売業者に対して届書の写しなどの提示を求めるよう案内しています[6]。クリニックが製造販売業者でない場合は、扱っている製造販売業者に確認してもらう形になります。クリニックには、承認番号または認証番号を確認してください。答えが返ってくれば、その番号でもう一度PMDAを調べられます。

機器の承認と、用途の承認は別のものです
もう一つ見落としやすいのが、「機器そのものの承認」と「タトゥー除去という用途の承認」は別だという点です。厚生労働省は、国内で承認されていない機器だけでなく、承認された効能・効果や用法・用量と異なる使い方をする場合も、広告上は「未承認医薬品等」と同じ扱いにしています[9]。たとえばシミの治療で承認されたレーザーを刺青の除去に使うなら、機器は承認済みでも、用途は添付文書の外側にあることになります。
だからこそ、添付文書の「使用目的又は効果」の欄が大切です。先ほどのPicoWayの例では、色素性病変の治療に加えて「刺青の除去」がはっきり書かれていました[8]。同じネオジミウム・ヤグレーザという一般的名称でも、販売名ごとに使用目的の書き方は異なります。番号だけを見て安心せず、自分が受けようとしている施術がその欄に含まれているかを読んでください。
添付文書に書かれていない用途で使うことが、ただちに悪いというわけではありません。ただ、その場合は患者への説明の中身が変わります。厚生労働省は、未承認の機器を自由診療に使いウェブサイトで情報提供する場合、明示すべき項目を定めています[9]。具体的には、未承認であること、入手経路、同じ成分や性能を持つ国内承認品の有無、諸外国での安全性などです[9]。この項目は、患者が質問するときのチェックリストとしても使えます。
承認が分からないとき、患者はここまで聞いてよい
承認の有無がはっきりしない、あるいは未承認と分かったとき、患者はどこまで気にすればよいのでしょうか。厚生労働省は美容医療を受ける人に向けて、使われる医薬品や医療機器がどのようなものか、安全性と有効性を自分でも説明できるようになるまで医師の説明を聞くことを求めています[10]。効果だけでなく、副作用、合併症、後遺症、発症確率、痛みについても説明を受けるよう案内しています[10]。承認の確認をきっかけに、効果やリスクについても説明を受けましょう。
具体的には、次のような質問が役に立ちます。使う機器の販売名と、承認または認証の番号は何か。添付文書の使用目的に、刺青の除去は含まれているか。含まれていない、または未承認なら、入手経路と国内承認品の有無、海外での安全性の情報はどうか[9]。こうした質問に医師がきちんと答えてくれるかどうかは、番号そのもの以上に、クリニックを選ぶ材料になります。
承認や認証は、国の制度に基づく所定の審査・手続きを経たことを示します。認証の審査主体は、国に登録された第三者機関です。施術の結果は、肌の状態やインクの種類、色、深さによって一人ひとり違います。だから機器の確認で終わりにせず、診察の場で自分の肌とタトゥーを見てもらい、見込みとリスクの両方を聞いてください。番号を確かめる作業と、医師の話を聞く作業は、どちらも欠かせません。
inklinicでの確認について
inklinicでのタトゥー除去のご相談では、医師の診察を受けたうえで、肌とタトゥーの状態を見て施術の見込みをお伝えします。使用する機器の販売名や、承認・認証の状況について知りたい方は、カウンセリングの際にご案内します。予約時に「機器の承認について聞きたい」と一言添えていただければ、時間を取ってお話しします。
この記事で書いた確認手順は、どのクリニックに対しても使えるものです。PMDAの検索ページと認証品目リスト、厚生労働省の美容医療向けの案内は、いずれも誰でも見られる公開資料です[5, 7, 10]。機器の番号と使用目的を確かめたうえで、医師の説明を聞き、施術を受けるかどうかを判断してください。
よくある質問
タトゥー除去のレーザーは、医療機器としてどのクラスに入りますか。
PMDAの一般的名称データベースでは、ネオジミウム・ヤグレーザとルビーレーザはいずれもクラスIIIに分類されています。どちらも「器31 医療用焼灼器」の類別に入ります。
承認の有無はどこで確認できますか。
PMDAの「医療機器 添付文書等情報検索」で、販売名や承認・認証番号、企業名から添付文書を探せます。認証を受けた機器は、PMDAが公表している認証品目リストでも確認できます。
PMDAで機種名が見つからなければ未承認ということですか。
そうとは言えません。検索は添付文書が公開されている品目を対象にしており、届出で市場に出る機器には公開リストがありません。呼び名と販売名が違うこともあるので、クリニックに販売名と番号を尋ねるのが確実です。
機器が承認済みなら、タトゥー除去という用途も承認済みですか。
別です。添付文書の「使用目的又は効果」に「刺青の除去」が含まれているかを確認してください。承認された用途と異なる使い方は、厚生労働省の広告ルール上、未承認医薬品等と同じ扱いになります。
参考文献
- [1]. PMDA. 医療機器の規制と分類 まとめ. (独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA), 年記載なし). リンク
- [2]. デジタル庁. 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律. (e-Gov法令検索, 1960). リンク
- [3]. PMDA. 医療機器基準等情報提供ホームページ:ネオジミウム・ヤグレーザ. (独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA), 2026). リンク
- [4]. PMDA. 医療機器基準等情報提供ホームページ:ルビーレーザ. (独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA), 2026). リンク
- [5]. PMDA. 医療機器 添付文書等情報検索. (独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA), 年記載なし). リンク
- [6]. PMDA. 報道関係者の皆様からのよくあるご質問:医療機器 情報検索ページ以外で確認する. (独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA), 年記載なし). リンク
- [7]. PMDA. 認証品目リストの公表について. (独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA), 2026). リンク
- [8]. 製造販売業者作成、PMDA掲載. ピコセカンドKTP/Nd:YAGレーザー PicoWay 添付文書. (独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA), 2022). リンク
- [9]. 厚生労働省. 医療広告ガイドラインに関するQ&A:Q2-13 未承認医薬品、医療機器を用いた治療については、広告可能でしょうか。. (厚生労働省, 2021). リンク
- [10]. 厚生労働省. その美容医療、ちょっと待って!. (厚生労働省, 年記載なし). リンク
- [11]. 独立行政法人医薬品医療機器総合機構. 登録認証機関制度. (独立行政法人医薬品医療機器総合機構, 2026). リンク
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