Journal / inklinic
タトゥー除去の初回カウンセリング、問診から同意書までの流れ
2026年10月5日

初回は、まず診てもらう日です
タトゥー除去のレーザーは、初回の予約日にそのまま照射する医療機関と、初回はカウンセリングだけにして照射を別日にする医療機関があります[7, 8, 9]。流れが一律ではないので、来院前に「今日は何をする日か」を知っておくと落ち着いて臨めます。この記事では、医療機関が公開している問診票や同意書、来院案内と、皮膚科医向けの総説をもとに、受付から帰宅までに何を聞かれ、何を決めるのかを順に追います[1, 3, 4, 5, 6]。
大まかな流れの一例として、受付で問診票を書き、待合で要望を聞かれます。そのあと診察室で医師がタトゥーと肌を見て、リスクと経過の説明を受けます。未成年者は、ここで同意書に署名します[5, 6]。施術メニューが決まったら、申込みと支払いの際に施術後の注意事項を受け取り、そのあと照射へ進む流れです[6]。各段階の確認項目を知っておくと、当日に聞きたいことを整理できます。
受付で書く問診票には何があるか
受付で最初に渡されるのが問診票です。公開されている自由診療の問診票を見ると、受診希望に「タトゥー除去」を選ぶ欄があります。そこには部位、アレルギー、ケロイド体質、光線過敏、金属アレルギー、妊娠・授乳の有無、治療中の病気、内服薬を記入する欄が続きます[3]。こちらは全3ページです[3]。別の形成外科の問診票は2ページで、氏名や職業のほか、症状が始まった時期、他院の受診歴、既往歴を書く欄があります。さらにペースメーカーや植込み型除細動器の有無、常用薬を書く欄もあります[4]。
共通しているのは、肌の体質と、いま飲んでいる薬を正確に書くことです。薬の名前はうろ覚えになりやすいので、お薬手帳か薬の箱の写真を持っていくと記入が早く済みます。前者の問診票には「今後の大切な行事」と「診療・治療への要望」を書く欄もあります[3]。結婚式や旅行など、肌を見せる予定があれば、ここに書いておくと医師が日程を考えやすくなります。
一つ注意点があります。ある形成外科の問診票では、保険診療と保険外診療は同じ日に行えないとして、別日の案内になると明記しています[4]。タトゥー除去と一緒に、ほかの皮膚の悩みを保険で診てもらいたい場合は、予約時にその旨を伝えておくと二度手間になりません。

診察室で医師はタトゥーのどこを見るか
診察室では、医師がタトゥーそのものと、まわりの肌を見ます。皮膚科医向けの総説では、治療前にタトゥーの種類と患者の皮膚タイプを把握するため、十分な病歴の聞き取りと診察が必要だとしています[1]。確認項目として、イソトレチノイン(ニキビ治療の飲み薬)の使用歴、全身性の金製剤、ヘルペス感染、ケロイド傾向、日光を浴びる習慣が挙げられています[1]。これらは、レーザー後の肌の治り方に関わる情報です。
米国皮膚科学会の患者向け解説でも、相談で検討する項目を挙げています。タトゥーを入れてからの期間、インクが入っている深さ、色、体のどこにあるかに加え、健康状態、服用薬、盛り上がった傷あとの既往です[2]。つまり医師は、インクの色と量、入れた時期、部位、そして肌が傷をどう治す体質かを順に見ていく、という流れです。
見積もりの目安として使われる評価尺度に、Kirby-Desaiスケールがあります[1]。これはFitzpatrick皮膚タイプ(日焼けのしやすさで分ける肌の分類)、部位、色、インク量、瘢痕や組織の変化、インクの重なりの6項目で点数を付けるものです[1]。回数の見通しを聞くときは、この6項目のどこが効いているのかを尋ねると、説明が具体的になります。また、治療前の状態と治療後の変化を記録するため、標準化したデジタル写真が有用とされています[1]。診察中に写真を撮られるのは、このためです。
肌の色が濃い場合はテスト照射から
肌の色が濃い場合、総説では本番の前にテスト照射を行い、効果と副作用を4〜6週間後に評価できるとしています[1]。小さな範囲に当ててみて、色が抜けるか、肌に色素沈着や色素脱失が出ないかを確かめる段取りです。この場合、初回の来院日に全体照射を行わないことがあり、評価のための来院が追加されることがあります。実際の対応は医療機関や診察所見によって異なります[1]。
テスト照射は、本番で広い範囲に色調の変化が出ることを避けるために行います[1]。テスト照射を提案されたら、評価の来院日をその場で決めておくと、全体の計画が立てやすくなります。行事が近い方は、テストの4〜6週間に本番の経過期間を足して、逆算して考えてください[1]。
説明で必ず聞いておきたいリスクと経過
診察のあと、医師から治療の説明があります。総説では、目標、期待、治療の選択肢、予想される結果、リスク、ダウンタイム、施術後のケアを説明するとしています[1]。そのうえで質問の機会を設け、利益とリスクを明記した同意を得ることが必要だとしています[1]。来院案内でも、医師が患部を診察しながら、利点と不利益を含めて説明するとしています[6]。
具体的なリスクとして、ピコレーザーの案内では感染、色素沈着、水ぶくれ、赤み、かさぶた、色素脱失、肥厚性瘢痕が挙げられています[7]。経過の目安は、水ぶくれが2週間ほど、赤みが数日程度、かさぶたが1〜2週間ほどで治るか自然に剥がれるとされています[7]。別の掲載メニューでは、赤み、痛み、かさぶた、かゆみ、色素沈着、出血、内出血、腫れが挙げられています。あわせて、妊娠中は受けられないとしています[8]。
説明を受けながら、気になる点を質問してください。自分の予定に照らして「赤みが数日、かさぶたが1〜2週間なら、行事の何週間前までに照射すればよいか」を聞いておくと、計画が立ちます。施術後に冷やすこと、10〜14日間の軟膏または保湿剤の使用も、総説が説明項目として挙げているものです[1]。ここで聞いた内容が、あとで受け取る注意事項の土台になります。

同意書に署名する前に
説明が終わり、受ける治療が決まったら、同意書に署名します。公開されている同意書の例では、「TATOO レーザー治療」を選ぶ欄があり、申込者の氏名、生年月日、年齢、住所、連絡先を記入します[5]。申込者は、施術について説明を受け、リスクを含めて十分に理解したうえで署名する、という文面です[5]。署名は、同意書に書かれた内容を確認したうえで行う手続きです。分からない点が残っていれば、その前に聞いてください。
未成年者は親権者の同意が必要で、親権者の氏名、申込者との関係、住所、連絡先を記入する欄があります[5]。来院案内でも、未成年者は事前の同意書か親権者の同伴が必要としています[6]。未成年の方は、同伴できるかどうかを事前に親と相談しておくと、当日に手続きが止まることがありません。
出典[6]の来院案内では、施術メニューが決まったら申込みと支払いに進み、施術後の注意事項が渡される流れが示されています[6]。同意書への言及があるのは未成年者の場合です[6]。迷っている段階なら、申込みの前に「今日は決めない」と伝えて構いません。
初回で照射まで進むか、別日になるか
ここが医療機関で分かれる点です。錦糸町レーザークリニックの掲載メニューでは、予約当日はカウンセリングのみで、当日の施術を希望しても後日の案内になると記載されています[8]。一方、しむら皮膚科の案内ではピコレーザーの手術日は「即日」とされ、R Beauty CLINIC大阪院の掲載ページ(melmo)も当日施術が可能としています[7, 9]。当日照射の可否は、医療機関の方針によって異なります。
照射まで進む場合、施術時間はタトゥーの大きさにより30〜90分程度とされています[7]。初回に照射を希望するなら、予約時に「当日照射が可能か」を確認し、テスト照射になる可能性も含めて聞いておくと、当日の予定が組みやすくなります。逆に、まず話だけ聞きたい方は、カウンセリングのみの枠を選べば、その場で決めなくて済みます。
カウンセリングにかかる時間
時間の目安も一律ではありません。錦糸町レーザークリニックの掲載メニューでは、カウンセリングのみの所要時間が15分程度と表示されています[8]。R Beauty CLINIC大阪院の掲載ページ(melmo)では、カウンセリングのみが30〜60分程度、カウンセリングから当日の施術まで進む場合は2〜3時間程度、別の箇所では2〜4時間程度としています[9]。
話を聞くだけなら15分から1時間程度、照射まで進む場合は2〜4時間程度です[8, 9]。医師の診察の前に、個室の待合室で悩みの聞き取りや説明動画の視聴がある医療機関もあり、その分の時間も加わります[6]。仕事帰りに寄る場合は、カウンセリングのみでも1時間、当日照射なら4時間程度の余裕をもって予約すると安心です。
帰る前に受け取るもの、来院前に用意するもの
引用した来院案内では、申込みと支払いの際、照射前に施術後の注意事項を渡されます[6]。内容は医療機関によりますが、掲載メニューの例では、施術後は紫外線対策をして、照射した部位への刺激を避けるよう案内しています[8]。総説でも、冷やすこと、10〜14日間の軟膏または保湿剤、瘢痕や色素沈着・色素脱失、色調の変化について説明することが挙げられています[1]。渡された紙はダウンタイム中に読み返すものなので、捨てずに保管してください。
来院前の準備として、問診票に書く内容を先に揃えておくと診察が早く進みます。飲んでいる薬の名前、過去にニキビ治療でイソトレチノインを飲んだことがあるか、ケロイドになった傷があるかを確認しておきましょう。今後の大切な行事の日付も書き出しておきます[1, 3]。肌を出す予定がある方は、その日をはっきり伝えてください。行事の日付は、タトゥーの状態や肌質とあわせて、照射の計画を相談する材料になります。
初回に照射まで進めるかどうか、テスト照射が必要かどうかは、タトゥーの色や部位、肌の状態によって変わります。カウンセリングで、ご自身の肌に合う進め方を確認してください。気になる点があれば、予約時にご相談ください。
よくある質問
タトゥー除去の初回カウンセリングでは、受付で何を書きますか?
公開されている問診票では、部位、過去に受けた施術とその時期、アレルギー、ケロイド体質、光線過敏、金属アレルギー、妊娠・授乳の有無、治療中の病気、内服薬などを記入します。ペースメーカーの有無や他院の受診歴を聞く問診票もあります。
初回のカウンセリング当日にレーザー照射まで受けられますか?
医療機関によって異なります。初回はカウンセリングのみで照射は後日と案内する医療機関もあれば、当日施術が可能としている医療機関もあります。予約時に当日照射が可能かを確認してください。
カウンセリングにはどのくらい時間がかかりますか?
掲載例では、カウンセリングのみで15分程度としている医療機関と、30〜60分程度としている医療機関があります。カウンセリングから当日の施術まで進む場合は2〜4時間程度とする案内もあります。
未成年でもタトゥー除去のカウンセリングを受けられますか?
公開されている同意書では、未成年者は親権者の同意が必要で、親権者の氏名、関係、住所、連絡先を記入する欄があります。事前の同意書か親権者の同伴を求める医療機関があるため、予約時に確認してください。
参考文献
- [1]. Stephanie GY Ho, Chee Leok Goh. Laser Tattoo Removal: A Clinical Update. (Journal of Cutaneous and Aesthetic Surgery, 2015). doi:10.4103/0974-2077.155066. リンク
- [2]. American Academy of Dermatology Association. Tattoo removal: Lasers outshine other methods. (American Academy of Dermatology Association, 2023). リンク
- [3]. 医療法人未来会 Mirai Clinic. 自由診療 問診票. (医療法人未来会 Mirai Clinic, 記載なし). リンク
- [4]. 医療法人藻友会 いしやま形成外科クリニック. 問診票. (医療法人藻友会 いしやま形成外科クリニック, 2025). リンク
- [5]. 玉島中央病院 美容外科. 同意書. (玉島中央病院 美容外科, 記載なし). リンク
- [6]. ziz CLINIC. はじめてご来院される方へ. (ziz CLINIC, 記載なし). リンク
- [7]. しむら皮膚科. タトゥー・アートメイク除去. (しむら皮膚科, 記載なし). リンク
- [8]. 株式会社リクルート、錦糸町レーザークリニック 皮膚科・形成外科. 《当日カウンセリングのみ》レーザーによるタトゥー除去. (ホットペッパービューティー 美容クリニック, 記載なし). リンク
- [9]. 株式会社メドレー、R Beauty CLINIC大阪院. タトゥー除去相談 初診のみ. (melmo, 記載なし). リンク
Related
