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    眉アートメイクの色名、アッシュからダークブラウンまでの選び方

    2026年10月5日

    Medical ColumnTokyo Ueno
    眉アートメイクの色名、アッシュからダークブラウンまでの選び方

    色名はメーカーごとの商品名です

    眉アートメイクの色名と色味の関係は、メーカーによって異なります。「ダークブラウン」という同じ名前でも、会社によってアンダートーンや定着後の仕上がりは違います。例えばTina Daviesのダークブラウンはオレンジベースで、施術後はダークブラウンに定着する色です[3]。PMU-lineのPerfect Brown 1はニュートラルなダークブラウンで、明るい肌ではブラウンに、濃い肌ではよりクールに見えます[5]。Nouveau ContourのDark Cool Brownは、名前のとおりクールなアンダートーンの深いブラウンです[2]。同じ「ダークブラウン」という名前でも、各社のカタログが示すアンダートーンには暖色寄り、中間、寒色寄りがあります[2, 3, 5]。

    色名から中身が分からないのは、成分の面でも同じです。米国で販売されるアートメイク色素974製品を調べた研究では、79種類の色素が確認され、1製品あたり平均4種類が配合されていました[8]。79種類のうち20種類は炭素、鉄、クロム、マンガン、モリブデンなどを含む無機顔料、59種類はアゾ系、キナクリドン系、アントラキノン系などを主とする有機顔料でした[8]。色名は見た目の目安であって、成分表ではありません。この記事では、色名から何が分かり、何を別に確認する必要があるのかを説明します。

    「明度」「色相」「アンダートーン」の意味

    色を数値で表すために、世界共通の規格が使われています。CIE(国際照明委員会)が定めたL*a*b*色空間です[1]。この表色系では、L*・a*・b*の値から、明度・彩度・色相角のおおよその相関量を求められます[1]。眉の色に当てはめると、L*が「ライト」か「ダーク」かに、色相が「赤み寄り」か「黄み寄り」か「緑み寄り」かに対応します。

    メーカーのカタログは、この色相の寄り方を「アンダートーン」や「ベース」という言葉で書いています。クール、ニュートラル、ウォームと分ける会社もあれば、黄色ベース、オレンジベースと書く会社もあります[2, 3]。例えばTina DaviesのAsh Brownは黄色ベース、Medium Brownはオレンジベースです[3]。Nouveau ContourのLight Ash Brownはクールでグリーンベースと記されています[2]。色名の前につく「アッシュ」や「クール」は、この寄り方のヒントだと考えると読みやすくなります。ただし言葉での説明なので、最後は実物の色見本と施術者の目で確かめます。

    CIE L*a*b*色空間を眉色に当てはめた概念図。縦軸にL*(明度、上がライト・下がダーク)、横面にa*(赤み/緑み)とb*(黄み/青み)の2軸を置く。眉色の

    アッシュ系は寒色寄りが多い、でも全部ではない

    アッシュと名のつく色は、カタログではクールなアンダートーンが多数派です。Nouveau ContourのSoft Ashはクールで、淡い肌の金髪またはグレイヘアの人向けとされています[2]。同社のLight Ash Brownもクールで、グリーンベースの色です[2]。グレイ、ライトブラウン、アッシュブラウンの髪と、赤みのある明るい肌に合わせる色とされています[2]。PMU-lineの2021/22年カタログにもDark Ash Greyという色名が載っていますが、このカタログでは定着後の色まで確認できません[4]。赤みのある肌には寒色寄りが合わせやすい、というのがこれらのカタログの考え方です[2]。

    ただし、アッシュがすべてクールというわけではありません。Tina DaviesのAsh Brownは黄色ベースで中間の明度の色で、施術後はミディアムアッシュブラウンに定着するとされています[3]。ボトルの時点でクールに見えなくても、肌に入って落ち着いた結果がアッシュになる、という設計です。また、アッシュ系は明度にも幅があります。Nouveau ContourのMedium Ash Brownはクールですが、淡い肌では濃くなり過ぎることがあると注意書きがあります[2]。アッシュ系にも濃い色があるため、仕上がりの明るさを確認する必要があります。

    ブラウン系はライトからダークまで、暖色も寒色もある

    ブラウン系は、明度の幅がそのまま名前になっています。Nouveau ContourのLight Brownはニュートラルなアンダートーンで、中間から濃い肌色向けです[2]。Tina DaviesのMedium Brownはオレンジベースで中間の明度、施術後はリッチなミディアムブラウンになります[3]。同じシリーズのDark Brownはオレンジベースで暗い明度です[3]。Bold Brownも同じオレンジベースの暗い色ですが、施術後は暖かみのないフラットなダークブラウンに定着します[3]。ベースが同じでも、仕上がりの温かさは製品ごとに違うのです。

    暗いブラウンには、寒色寄りの製品もあります。Nouveau ContourのDark Cool Brownはクールな深いブラウンで、暗い髪とオリーブまたは濃い肌色向けです[2]。同社のDark Deep Brownもクールで、濃くはっきりした眉を作る色とされています[2]。さらに黒に近づけたい場合、Tina DaviesのEbonyは黄色ベースの暗い色で、施術後はフラットなブラックになります[3]。ブラウンか黒に近いかだけでは、暖色・寒色の区別はできません。ブラウン系を選ぶときは、明度(ライトかダークか)と、ベース(オレンジか黄色かクールか)を別々に見るのがコツです。

    ブラウン系色素のマップ。横軸にアンダートーン(左からクール、ニュートラル、オレンジ/黄色ベース)、縦軸に明度(上がライト、下がダーク)。出典の製品を点で配置する

    髪色だけでは決められない理由

    髪色だけでアートメイクの色を決めることには、注意が必要です。デンマークの白人892人を調べた研究では、髪色から皮膚タイプや本来の皮膚色素を予測できませんでした[7]。この集団では892人中、青い眼が60%、金髪が67%、皮膚タイプIIが33%でした[7]。赤毛を除く4種類の主な髪色は、どれも皮膚タイプIからIVまでの人にみられたと報告されています[7]。白人集団での結果ですが、「髪が明るい人は肌も淡い」という思い込みが成り立たないことを示す例です。

    同じ色素でも、肌が変われば見え方が変わる、とメーカー自身が書いています。PMU-lineのPerfect Brown 1は、明るい肌ではブラウンに、濃い肌ではよりクールに見えるとされています[5]。同社の2021/22年カタログでは、「金髪と明るい肌」「茶髪と日焼け肌」のように髪と肌を組み合わせて色を分類しています[4]。髪色は入口のひとつで、肌の色と合わせて初めて候補が絞れます。

    髪色と皮膚タイプの関係図。左に髪色の4区分(金髪、ライトブラウン、ダークブラウン、黒)を縦に並べ、右に皮膚タイプI〜IVの4列を置く。各髪色から皮膚タイプI〜I

    地毛より明るい色、暗い色を選ぶとどう見えるか

    色名の「ライト」「ミディアム」「ダーク」は明度の違いです。カタログの説明を見ると、明度の低い色ほどはっきりした印象の眉になる傾向があるようです。例えばNouveau ContourのDark Deep Brownは濃くはっきりした眉を作る色とされています[2]。一方、淡い肌にMedium Ash Brownを入れると濃くなり過ぎることがある、という注意もあります[2]。地毛より暗い色を選ぶ場合は、肌が淡いほど目立ちやすい傾向がある、とカタログの説明から読み取れます。

    では地毛より明るくするか、暗くするか、どの程度にするか。これは段階数で機械的に決めるものではなく、カウンセリングで一緒に決める部分です。確認するのは、地毛の眉の色、今の髪色、肌の色、そして「ふんわり」か「くっきり」かという希望の濃さです。なりたい眉の写真を見せていただくと、言葉より早く伝わります。暗い色を選ぶ場合は、定着後に暖かみが残るかどうかも製品で違います(Bold Brownは暖かみのないフラットな仕上がりとされています[3])。当日は色見本を肌の近くに当てて比べながらご案内します。

    定着後の色は、ボトルの色と同じではない

    メーカーが色ごとに「施術後の見え方」を書いているのは、肌に入った色がボトルの色のまま見えるわけではないからです[2, 3]。Tina DaviesのAsh Brownが施術後にミディアムアッシュブラウンになる、Ebonyがフラットなブラックになる、という書き方がその例です[3]。皮膚科のレビュー論文も、アートメイクの眉には主にブラウン系の色調が使われ、色の組み合わせが定着後の結果を左右するとしています[6]。だから色選びでは、ボトルの色ではなく、各社が記す「定着後の色」を基準に話を進めます。

    時間がたった色の変化にも触れておきます。同じレビューによると、日光に当たることで、施術の数週間後に各色成分が化学的な変化を受けることがあります[6]。古い施術部位では、青み、緑み、グレー、赤みを帯びて見える場合があり、残存する色素の状態によっては補色による色補正が検討されることがあります[6]。ただし、色素の組成や深さ、皮膚の状態によって対応は異なり、必ずしも補色を重ねるとは限りません。アンダートーンを選ぶ段階でこの性質を知っておくと、カウンセリングでの質問が変わります。「この色は定着後にどう見えますか」「数年後はどう変わりやすいですか」と聞いてみてください。変色の仕組みそのものは、別の記事で詳しく扱います。

    カウンセリングで色名と一緒に伝えること

    カウンセリングでは、色名とともに、希望する仕上がりや髪の状態も伝えてください。伝えると役立つのは、まず希望の仕上がりの写真です。次に、今の髪色と、今後染める予定があるかどうか。そして、過去にアートメイクをした部位があれば、その色と時期です。古い色素が残っている場合は、新しい色を重ねたときの見え方が変わり、補色での補正が必要になることがあります[6]。施術者側からは、使うメーカーと色名、そのアンダートーン、想定する定着後の色を説明してもらいましょう。

    色素の成分についても、色名だけでは分かりません。974製品を調べた研究では、確認された79種類の色素のうち10種類に、アレルギー性接触皮膚炎との関連が文献で報告されていました[8]。過去に化粧品や金属でかぶれた経験がある方は、予約時にお伝えください。使用する色素の情報を手元に置いて、当日ご案内します。髪色や肌の色、希望の濃さ、定着後の色を確かめながら、ご自身の眉に合う色を選んでいきましょう。

    よくある質問

    アッシュブラウンは寒色ですか?

    カタログではクールなアンダートーンの製品が多数派ですが、全部ではありません。黄色ベースで、施術後に定着してからミディアムアッシュブラウンになる製品もあります。色名だけで決めず、そのメーカーの定着後の色を確認してください。

    黒髪なら眉アートメイクはダークブラウン一択ですか?

    髪色だけでは決まりません。892人を調べた研究では髪色から皮膚タイプを予測できず、同じ色素でも肌の色で見え方が変わるとメーカーも書いています。髪色、肌の色、希望する濃さを合わせて候補を絞ります。

    同じ色名なら、別のメーカーでも同じ色ですか?

    違います。同じダークブラウンの仲間でも、オレンジベース、ニュートラル、クールの製品があります。カウンセリングでは色名と一緒に、使うメーカー名とアンダートーンを聞いてください。

    定着後に眉の色は変わりますか?

    肌に入った色はボトルの色のままでは見えないため、各社は定着後の見え方を別に記しています。日光で数週間後に色成分が変化することがあり、古い施術部位では青みやグレー、赤みを帯びて見える場合もあります。

    カウンセリングで色名以外に何を伝えればいいですか?

    希望の仕上がりの写真、今の髪色と今後染める予定、過去のアートメイクの色と時期、ふんわりかくっきりかの希望です。化粧品や金属でかぶれた経験があれば、予約時にお伝えください。


    参考文献

    1. [1]. International Commission on Illumination. CIE 1976 L*a*b* colour space. (International Commission on Illumination(CIE), n.d.). リンク
    2. [2]. Nouveau Contour. Brow pigments. (Nouveau Contour, n.d.). リンク
    3. [3]. Tina Davies. I ❤️ ink Healed Results. (Tina Davies Canada, 2019). リンク
    4. [4]. PMU-line ApS. PMU-line Product Catalogue EN 2021/22. (PMU-line, 2021/2022). リンク
    5. [5]. PMU-line ApS. Perfect Brown 1 (EB4310). (PMU-line, n.d.). リンク
    6. [6]. Amit S. Kerure, Manjot Marwah, Nitika Deshmukh Wagh, Satish Udare. Micropigmentation. (Indian Dermatology Online Journal, 2023). doi:10.4103/idoj.idoj_767_21. リンク
    7. [7]. J. Lock-Andersen, H. C. Wulf, N. D. Knudstorp. Interdependence of eye and hair colour, skin type and skin pigmentation in a Caucasian population. (Acta Dermato-Venereologica, 1998). doi:10.1080/000155598441567. リンク
    8. [8]. Sarah Rigali, Cameron Cozzi, Walter Liszewski. Identification of the pigments used in permanent makeup and their ability to elicit allergic contact dermatitis. (Journal of the American Academy of Dermatology, 2024). doi:10.1016/j.jaad.2024.05.067. リンク

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