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    アートメイク除去の注意点|眉・リップ・アイラインと色素の黒変

    2026年6月25日

    Medical ColumnTokyo Ueno
    アートメイク除去の注意点|眉・リップ・アイラインと色素の黒変

    眉やリップ、アイラインのアートメイクを除去したいとお考えの方は少なくありません。ただ、アートメイク除去には通常のタトゥー除去とは異なる注意点があります。とくに知っておきたいのが、淡い色の顔料がレーザーで黒く、あるいは赤茶色に変色してしまう「黒変」のリスクです。この記事では、眉アートメイク除去やリップアートメイク除去で気をつけたいポイントを、落ち着いて整理してお伝えします。なお、効果や経過、リスクの出方には個人差があり、除去の可否や方法は必ず診察・カウンセリングでご判断ください。

    酸化鉄・二酸化チタンによる黒変のリスク

    アートメイクに使われる顔料には、酸化鉄や二酸化チタンといった成分が含まれていることがあります。これらは眉やリップ、アイラインの色を出すために使われる、白〜肌色系の淡い顔料に多く見られます。問題となるのは、こうした顔料にレーザーを照射すると、化学的に還元されて黒色や赤茶色へと変色してしまう場合があることです[1][2][4]

    この現象は「黒変」と呼ばれ、肌色やピンク、薄い茶色だった部分が、照射をきっかけに濃く沈んでしまうことがあります。とくにリップのように淡いピンク系の色素や、肌色でぼかしを入れた眉などでは注意が必要です。一度黒変が起きると、その色を改善するのは難しい場合があると報告されています[1][2]

    そのため、タトゥー除去と同じ感覚でアートメイク除去を進めることはおすすめできません。除去を始める前に、こうしたリスクがあることを理解しておくことが大切です。

    アートメイクの淡色顔料 酸化鉄(Fe₂O₃) 二酸化チタン(TiO₂) レーザー照射 黒〜灰色に変色 ⚠ 還元反応で不可逆的に黒変することがある 一度黒変すると戻すのが難しい。だから小範囲のテスト照射で反応を確認してから[1][2]
    図:酸化鉄・二酸化チタンなどアートメイクの淡色顔料がレーザーで還元され、黒〜灰色に不可逆的に変色しうること。テスト照射の重要性を示す。

    淡色顔料は「黒変」に注意

    眉・リップ・アイラインのアートメイクに使われる酸化鉄・二酸化チタンなどの淡色顔料は、レーザー照射で黒〜赤茶色に不可逆的に変色することがあります[1][2]。まず小範囲のテスト照射で反応を確認します。除去の可否・方法は必ず医師の診察で判断します。

    テスト照射で反応を確かめることの大切さ

    黒変のリスクに備えるうえで重要なのが、いきなり広い範囲を照射せず、まず小さな範囲でテスト照射を行い、顔料がどう反応するかを確認することです[1][3]。色がどう変化するか、黒変が起きないかを小範囲で見極めてから本格的な除去に進む、という慎重な進め方が推奨されています。

    テスト照射が大切なのは、アートメイクに使われた顔料の成分が、施術後に正確に分からないことが多いためです。どのメーカーのどんな色素が、どの深さに入っているのかは外見からは判断できません。だからこそ、実際に少しだけ照射して反応を見るという手順に意味があります。

    テスト照射をしても、その後の経過には個人差があります。また、アートメイク除去は一度で完了するものではなく、複数回の照射が必要になることが一般的です。

    アートメイク除去でテスト照射を行う流れ
    アートメイク除去でテスト照射を行う流れ

    部位別の注意点(眉・リップ・アイライン)

    眉アートメイク除去では、淡い色や肌色でぼかした部分が黒変しやすい点に注意が必要です。色の濃淡が混在していることも多く、部位ごとに反応が異なる場合があります。テスト照射でそれぞれの反応を確認しながら進めることが望まれます。

    リップアートメイク除去では、唇が粘膜であることから、皮膚とは違うデリケートさがあります。淡いピンク系の顔料は黒変のリスクがあり、また腫れや水ぶくれなどの反応が出やすい部位でもあります。施術前後のケアについてもカウンセリングで十分に確認しておくと安心です。

    アイラインのアートメイク除去では、目のすぐ近くを扱うため、眼球を守る配慮が欠かせません。一般に、目への光の影響を避けるためにアイシールド(保護用のコンタクト状の器具)を装着して照射するなど、安全に配慮した手順がとられます[3]。目元は皮膚が薄くデリケートなため、より慎重な対応が求められます。

    アイライン眼球保護(アイシールド) 唇=粘膜 部位ごとに注意点が異なる。可否は診察で判断します
    図:眉・アイライン(眼球保護が必要)・唇(粘膜)など、アートメイク除去で部位ごとに注意点が異なることを示す顔の図。

    除去ができるかどうかは診察で判断します

    ここまでお伝えしてきたとおり、アートメイク除去では顔料の成分が不明なことが多く、黒変をはじめとする変色のリスクをあらかじめゼロにすることはできません。反応の出方には個人差があり、同じ部位・同じ色に見えても、結果が一人ひとり異なります。

    だからこそ、除去ができるかどうか、どのような方法が適しているかは、実際の状態を確認する診察のなかで判断することが大切です。気になることや不安は、カウンセリングで遠慮なくご相談ください。テスト照射の結果も踏まえて、無理のない方針を一緒に考えていきます。

    なお、レーザーによる除去では、黒変のほかにも水ぶくれ、色素沈着、色素脱失、瘢痕といったリスクがゼロではありません[3]。これらの可能性も含めて、納得したうえで進めていただくことをおすすめします。

    まとめ

    アートメイク除去は、眉アートメイク除去・リップアートメイク除去・アイラインのいずれにおいても、淡色顔料の黒変という独特のリスクをともないます。酸化鉄や二酸化チタンを含む顔料は、レーザーで黒や赤茶に変色することがあり、一度起きると改善が難しい場合があります[1][2][4]

    こうしたリスクに備えるために、小範囲のテスト照射で反応を確かめること、部位ごとの特性に配慮することが重要です[1][3]。効果や経過には個人差があり、複数回の施術が必要になることも一般的です。除去の可否や方法は、必ず診察・カウンセリングでご判断ください。

    よくある質問

    アートメイク除去で色が黒くなることがあるのはなぜですか。

    アートメイクの顔料に含まれる酸化鉄や二酸化チタンといった淡色の成分が、レーザー照射によって還元され、黒色や赤茶色に変色することがあるためです[1][2][4]。とくに眉やリップの淡い色で起こりやすく、一度黒変すると改善が難しい場合があります。

    テスト照射はなぜ必要なのですか。

    アートメイクに使われた顔料の成分は施術後に正確に分からないことが多く、レーザーへの反応を事前に予測しにくいためです。まず小範囲で照射して黒変などの変色が起きないかを確認してから進めることで、リスクに配慮した除去がしやすくなります[1][3]

    リップやアイラインの除去で特に気をつけることはありますか。

    リップは粘膜にあたるデリケートな部位で、腫れや水ぶくれなどの反応が出やすく、淡色顔料の黒変にも注意が必要です。アイラインは目のすぐ近くのため、眼球を守るアイシールドを用いるなど安全に配慮した手順がとられます[3]。いずれも詳しくはカウンセリングでご確認ください。

    アートメイクは必ず除去できますか。

    除去できるかどうかには個人差があり、必ず可能とは言えません。顔料の成分が不明なことが多く、黒変・水ぶくれ・色素沈着・色素脱失・瘢痕などのリスクもゼロではありません[3]。複数回の施術が必要になることもあります。除去の可否や方法は必ず診察・カウンセリングでご判断ください。

    参考文献・出典

    1. Anderson RR, Geronemus R, Kilmer SL, Farinelli W, Fitzpatrick RE. Cosmetic Tattoo Ink Darkening: A Complication of Q-Switched and Pulsed-Laser Treatment. Archives of Dermatology 129(8):1010-1014(1993) doi:10.1001/archderm.1993.01680290082012
    2. Ross EV, Yashar S, Michaud N, Fitzpatrick R, Geronemus R, Tope WD, Anderson RR. Tattoo Darkening and Nonresponse After Laser Treatment: A Possible Role for Titanium Dioxide. Archives of Dermatology 137(1):33-37(2001) doi:10.1001/archderm.137.1.33
    3. Hohman MH, Ramsey ML. Laser Tattoo Removal. StatPearls [Internet], StatPearls Publishing(2025)
    4. Naga LI, Alster TS. Laser Tattoo Removal: An Update. American Journal of Clinical Dermatology 18(1):59-65(2017) doi:10.1007/s40257-016-0227-z

    ※ 本ページは公開されている査読論文・公的資料をもとに、一般的な医学情報として作成しています。効果・経過には個人差があり、診断・適否の判断は医師の診察によります。

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